おはようございます。群馬県高崎市の家庭教師、牛込伸幸です。
今回は英検を使って英語の実力を着実につけていく方法をお伝えします。
英検を使えば、3級で高校入試、2級で大学入試につなげることができます。
過去問のほかに、おすすめの問題集とその使い方もお話しますので、ぜひこの順番でやってみてください。
では始めます。
英語の勉強に英検を使うメリット
英検のいいところは、なんといっても4級→3級→準2級→2級…と問題がレベル別になっていることです。
高校入試や大学入試、TOEICは、英語が得意な人も、そうでない人も同じ問題を解きます。
そうすると、問題が難しくならざるを得ません。まだその問題のレベルに達していない人には問題が難しすぎます。
だから、過去問で勉強しても、しっくりこないのです。
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その点、英検はレベル別ですから、自分の実力にあったところからスタートして、自分のペースで実力を高めていくことができます。
ぼくの生徒さんでも、高校生で英語の基礎ができていないことに気づいて、3級(中学卒業レベル)からやり直して、2級(高校卒業レベル)を取り、大学に合格した生徒さんが何人もいますよ。
英検の間違った使い方
ただ、英検は間違った使い方をすると、実力がつかない、ただ苦しいだけの勉強になってしまいます。それはなぜでしょう?
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英検は正解率6、7割で合格できます。
ギリギリ合格したようだと、まだその級の実力がついていません。
勘も含めて6、7割ですからね。
しかも、英検の長文読解やリスニングは選択肢が緩いので点が取りやすいのです(合ってるか、間違ってるかハッキリしてる)
英文の意味が取れなくても正解できてしまうのです(ここが最大の問題点)
単語を覚えて、「なんとなくこれかな?」とだましだましやっている感じです。
その状態で合格して次の級に進んでしまうと、次の級でも同じような状況になってしまいます。
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とはいえ、さすがに準2級レベルになると、これでは通用しなくなります。
もし、中学生で英検4級や3級を持っているのに、学校の定期テストや高校入試、模試で思ったような点が取れない場合は、この状態を疑った方がいいです。
入試に生かす英検の使い方
英検は制限時間の3分の2くらいで正答率9割ほどになるまで、その級の勉強を続けるといいと思います。
特に英語長文とリスニングは普通に読んで(聴けて)意味が取れて、当たり前に正解するレベルになることを目指します(こうなると勉強していて楽しいですよ)
もちろん、合格したら次の級の勉強に進んでも構いません。
でも、この状態になるまで、並行して合格した級の勉強も続けてください。
例えば、3級に合格したけれど、まだ7割くらいしか正解できないので、3級の勉強をしつつ、準2級の勉強をするということです。
実際、3級で9割くらい解けるようになるころには、準2級も合格水準に近づいていると思いますよ。
英語に限りませんが、勉強のコツは難しすぎることをしないことです。
難しすぎることをやっても、苦しいだけで空回りしてしまうので。
「ちょい難」が大事ってことです。
ですから、これから英検を勉強しようと思った方も、9割解ける級から勉強するのがおすすめです(受験はしなくていいですよ)
では、以下ではゼロから英検を使って勉強する方法を具体的にお伝えしていきます。
英語を読むための英文法(4級・3級)
英語を勉強するときに、まずやる必要があるのは英文法です。
英文法に苦手意識がある人や、文法を勉強しても仕方ないと思っている人もいると思います。
でも、ここでやってほしいのは、あくまで「英語を読むための英文法」です。
正確には「読むため」だけでなく、「聴く・書く・話すため」です。英語の4技能ですね。
そこで、ゼロから英語を勉強するときにおすすめなのがこの本です。
「中学英語をひとつひとつわかりやすく」山田暢彦
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この本は左ページに説明、右ページに問題という見開きで構成されています。
説明のページは細かいことは省いて大事なポイントをイラストを使って簡潔に説明してくれています。
(よくある参考書は細かいことまで書いてあるので、初めて勉強する人には向かない)
そして、右ページで問題を解き、英語を身に付ける構成になっています。
この本の問題は、穴埋め問題ではなくて、すべて自分で英文を書くものがほとんどです。
ですから英作文の練習にもなります(口頭でやれば話す練習にも)
英語は理解半分、慣れ半分です。
説明を読んでばかりではダメで、問題を解くことが大切です。
左ページの説明を読んで、右ページで自分で英文を書いて、間違えては直しを繰り返すうちに英語が身につきます。
音声もついているので、仕上げに音声を聴きながら音読しまくってください。
英検4級までの参考書ルート
英語が苦手でやり直したい場合、ゼロから英語を勉強する場合は、「中学英語をひとつひとつ」のレッスン37までをスラスラできるまで繰り返してください(最低3回)
be動詞、一般動詞、否定文、疑問文、疑問詞、代名詞といった英語の超基礎をマスターすることができます。
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この本をレッスン85までやると英検4級レベルです(不定詞や比較まで)
ここまで1回やったら、過去問とパス単の勉強を始めてください(やり方は後ほど)
そして、平行して「中学英語をひとつひとつ」の2回目、3回目をします。
英検4級過去6回全問題集
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英検4級出る順パス単
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英検3級までの参考書ルート
「中学英語をひとつひとつ」を最後までやると3級レベル(中学卒業)です。
4級と流れは同じで、「ひとつひとつ」を最後まで1回やったら、「過去問」と「パス単」を始めます。
平行して「ひとつひとつ」の2回目、3回目をします。
英検3級過去6回全問題集
https://amzn.to/3Onc79n
英検3級出る順パス単
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英語を読むための英文法(準2級・2級)
準2級のレベルは高校初級とされています。「中学英語をひとつひとつ」では足りない文法項目があるので、大岩の「高校とってもやさしい英文法」を使います。
「高校とってもやさしい英文法」
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この本も「中学英語をひとつひとつ」と同じで、本当に大事なところだけ簡潔にまとめられています。
左ページに説明、右ページにその問題という見開き完結スタイルです。
右ページの問題は穴埋め式になっているのですが、その部分は隠して自分で英文を書いてみるといいと思います。
やっぱり英語を理解するには、全文を自分で書くことが大切です。
大学受験につなげたい場合は、この本に「レベル別英文法」のレベル1と2を追加してください。
英文法レベル別問題集(レベル1)
https://amzn.to/3vUNafd
英文法レベル別問題集(レベル2)
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例えば、「高校とってもやさしい英文法」で時制をやったら、「英文法レベル別」の同じく時制を解くといった感じ使います。
※高校で配られる英文法の問題集は、大学入試の英文法の問題を解くためのものなので難しいです。「英文法レベル別」を挟むことで、できるようになりますよ。
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説明が詳しい方がいい人は「高校とってもやさしい文法」の代わりに、「大岩のいちばんはじめの英文法」でもいいと思います。
ただ、この本は問題がほとんどないので、「レベル別英文法」1と2を必ず併用してください。
大岩のいちばんはじめの英文法(超基礎文法編)
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次は、学んだ英文法を活かして、英検の問題をやる手順です。
英検準2級までの参考書ルート
「高校とってもやさしい英文法」を1回やったら、「過去問」と「パス単」を始めてください。
そして、並行して「高校とってもやさしい英文法」の2回目、3回目をします。
3級のときと同じですね。
英検準2級全6回全問題集
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英検準2級出る順パス単
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英検2級までの参考書ルート
「高校とってもやさしい英文法」をやれば、2級の英文を読むための基本項目はすべて出ています。
2級の英文は単語が難しかったり、1つの文が長くなったりするだけです(「だけ」とはいっても、ここが2級の壁です)
ここで「英文法レベル別」の3をやると、大学受験の英文法につなげることができます(「ビンテージ」や「ネクステ」といった問題集に接続)
英文法レベル別問題集(レベル3)
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英検2級全6回全問題集
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英検2級出る順パス単
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ここまで、英語を読むための英文法と過去問・パス単への接続についてお伝えしました。
ここからは、過去問とパス単の使い方をご説明します。
過去問の使い方(6回分)
過去問を「テストの前の腕試し」に使っている人を見かけます。でもこれでは「合格できそうか?」の確認にしかなりません。
そうではなくて、過去問を使って実力を高めていきましょう。過去問6回分がメイン教材です。
英検には、リーディング(読む)、リスニング(聴く)、ライティング(書く)、スピーキング(話す)の4技能があります。まずはリーディングからご説明します。
リーディング(読む)勉強法
リーディングのパートには、級によって異なりますが、短文の空所補充(穴埋め)、会話問題、長文読解などがあります。
勉強する順番は、長文読解からがスムーズです(さらっと書きましたが、ここ、かなり大事です)
短文の穴埋め問題の単語や熟語は結構、レベルが高いです。
長文読解で読解力と単語力を磨きつつ、「パス単」で並行して単語を覚えてからやった方が効率がいいです。
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長文読解の問題を解く手順はこうです↓
・答え合わせ(本文の意味も確認)
・音読(意味を取りながら)
過去問6回分を3回やってください。その頃にはスラスラ読める実力がついているはずです。「普通に読めて、当たり前に正解する」が目指すところです。
音読は問題を解いたあとは3回。その後、1日3回を1週間やってください。3回×7日で21回です。
音読は意味を取りながらするのがコツです。カッコよくスラスラ読めても、意味が取れてないとだめですよ。
意味が取れないときは、和訳や英文法の本を参考にして、意味をしっかりと取ってから音読してください。
もし、英文が難しくて、こうなるイメージが湧かない場合は、級を下げて勉強してください(こうなってしまっている人が多い印象です)
くどいようですが、難しすぎる英文をフィーリングで読んでも実力はつきませんよ。
テスト前に新しい問題を解きたい場合は、古い過去問を中古屋さんで購入するといいでしょう。
リスニング(聴く)勉強法
リスニングはこんな手順で勉強します。
・1題ずつ納得いくまで聴く(まだ答えは見ない)
・答えを確認する
・英文を見ながら聴く(意味を確認しながら)
・リピーティング(音声に少し遅れて読む)
・仕上げに英文を見ないで聴く
この流れでやると結構時間がかかります。だから1回の勉強で5題連続くらいがいいと思います(3題でもOK)
最初に5題ほど連続してテストするには理由があります。本番の時間の使い方を経験するためです。
英文は1回しか読まれないので、英文を聴き終わったら速やかに答えて、先に次の問題の選択肢に目を通します。
わからないときは、引きずらずに次の問題に行きます。
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リーディングと同じく、過去問6回分を3回やってください。その頃にはスラスラ聴ける実力がついてくるはずです。
ここもやはり「普通に聴けて、当たり前に正解する」が目指すところです。こうなるイメージが湧かない場合は、級を下げてください。
リスニングは学校であまりやらないので苦手な人が多いです。思い切って4級あたりからやるのもおすすめです。
ライティング(書く)勉強法
ライティングが苦手な人が多いです。でもそれは、難しいことを書こうとするからです。
ぼくらはある意味「日本語検定1級」なので、考えたことをそのまま英語にしようとするのは無理があります。
自分が英語で書けるレベルに内容を下げて書いてみてください。
例えば「高校生はクラブ活動をした方がいいと思いますか?」という問題なら、「健康にいいから」「友だちができるから」みたいなベタなものでいいんです。
英文のレベルは2級でも「中学英語ひとつひとつ」で十分です。単語は「パス単」の4級と3級を「日本語→英語」で覚えるといいでしょう。
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ライティングには決まった型があります。
「私は〇〇と思います。理由は2つあります。ひとつは〇〇〇、もうひとつは〇〇〇。だから私は〇〇と考えます」といったものです。
自分の書けるレベルの英語をこのような型にあてはめて書くことで、ライティングを得点源にしている生徒さんは多いですよ。
逆に、これを知らずに書くと、思ったほど点数になりません。詳しくはこの記事を参考にしてください↓
スピーキング(話す)勉強法
面接試験というと「外国人とフリートークをするのかな?」と思いがちですが、全然違います(受けたことがある人はわかりますよね)
級ごとに問題形式が決まっているので、それを過去問で練習して臨んでください。
このパートも出題形式を知らないで受けると撃沈しますよ。ご注意ください。
詳しくはこの記事で↓
以上、過去問の使い方でした。次は「パス単」の使い方です。
パス単の使い方
英語を理解するには、英文法の知識と単語力の両方が必要です。
単語は長文読解のなかで覚える方がいいとよくいわれます。
もちろん、これは正しいと思います。でも、それだけでは必要な単語を覚えるまでに時間がかかりすぎます。
そこで、英文のなかで覚えることと、単語帳を使って覚えることを並行してやります。
そうすると、英文を読んだとき「これ、単語帳で見たな」となり、単語帳で勉強しているとき「これ、この間読んだ英文にあった」となって相乗効果を発揮します。
そして、なんといっても単語帳は、必要な単語を効率よく一気に覚えることができます。忘れないように記憶を維持するのにも役立ちます。
単語帳だけで覚えるのは大変ですが、英文のなかで覚える方法と併用すれば効果は抜群です。
●最初は「英語→日本語」
英単語を覚えるとき、最初は「英語→日本語」をやります。
例:dog → 犬
書いて覚えるのは効率が悪いとよくいわれます。でも、初期段階は「書いて書いて書きまくる」のがいいと思います(中学生や英語が得意でない高校生)
英単語の発音とスペルの関係がなんとなく身につくからです。
高校生以上でも、覚えられない単語はやっぱり書くに限ります。あまり効率を求めすぎずに泥臭くやっていきましょう。
●3級までは「日本語→英語」も
3級の「パス単」くらいまでは、英語→日本語の次に、日本語→英語もやりましょう。ライティング(英作文)とスピーキング(面接)で必要だからです。
●単語は「音声」を使って覚える
パス単はアプリで音声を聴くことができます。
単語を見たとき、発音できないと覚えにくいものです。また、リスニングでも困ります。
音声を使うのは、もうひとつメリットがあります。
本を見ながら単語をチェックすると、だんだん疲れてきて、やめてしまいます。でも、音声を使うと強制的にどんどん進みます。これを使わない手はありません。
●繰り返しの頻度(1か月に6回)
英単語に限らず暗記は繰り返しが大切です。1回やって覚えられるなんてことはありませんよね。
また、繰り返しの間隔も大事です。パス単を1か月かけて1回やった…となると、2回目にやるときは1か月ぶりになってしまいます。これでは忘れ切ってしまっています。
目安は1か月に6回とよくいわれます。
(これじゃないとダメということはありませんが、2、3回では覚えられませんし、1回ごとの間隔が空きすぎると効果はありません)
例えば、500単語を1か月で覚えたい場合、1日100単語、5日間をワンサイクルに、6回します。
1日目:1~100
2日目:101~200
3日目:201~300
4日目:301~400
5日目:401~500
【2回目】
6日目:1~100(最初に戻る)
7日目:101~200
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と6回目までやっていきます。
1日あたりの単語の数は自分で調整してください。単語数でなくて、1日〇ページでも構いません。
●単語はクイズしながら覚える
英単語はただ眺めたり、書いたりしても覚えられません。クイズしながら覚えます。
例えば、finishという単語をクイズする場合、日本語訳を紙で隠して、「finishって何だっけなあ…」という感じで↓
心の中で「そうだ「終える」だ!」と答えて、紙をどかして日本語訳を確認します↓
1秒以内に意味が思い浮かぶことを目指します。そうでないと、長文読解で使えません。
「この単語、どういう意味だっけなあ」と迷っているうちに、文脈がわからなくなってしまいます。
もちろん、わからない単語が英文のなかにいくつかあるのは仕方ありません。でも、できるだけ知っている単語が多い方が読みやすいに決まってますよね。
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単語クイズをして覚えていなかったら、「なるほど~そういう意味かあ」と味わって次へ進みます(先ほどもお話したように初期段階は書いた方がいいです)
できれば「パス単」1ページ(10単語弱)を全問正解してから次に進むといいですよ(100単語全部を連続で正解するまで…はやりすぎ。辛くて続かない)
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多分、3回目くらいまでは全然覚えられないと思います。
4回くらいから「見覚えあるなあ」「たしか…」、5回目で「覚えてきたぞ」という感じです。
1、2回やって覚えられないと「なんで覚えられないんだ!」とイライラしてしまうかもしれません。でも、そんなものです。そう思って続けてください。
今まで単語で挫折した人は、回数が少なかったり、間隔が空きすぎていたんだと思います(ぼくも経験済み・笑)
まずは1か月6回で試してみてください。そして、「これなら覚えられる」という単語の数や回数を見つけてください。
1日10単語、5日間で50単語だっていいんです。とにかく前に進むことが大事です。やっているうちに単語筋(暗記筋)がついて数を増やすことができます。
「どうしようかな?」と迷って、やらないのがいちばんもったいないです。すぐ2、3か月たってしまいます。
以上、パス単の使い方でした。
まとめ
ここまで、英検を使って入試に役立つ英語の勉強法をお伝えしてきました。
英語を読むための英文法をやって、パス単で単語を覚えながら過去問を解くという流れです。
ポイントは、長文読解とリスニングは「普通に読めて(聴けて)、当たり前に正解する」までその級の勉強をすることです。
こうすることで「ちょい難」を繰り返しながら、着実に実力をつけていくことができます。
以上、長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
応援しています^^ 牛込伸幸
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