おはようございます。群馬県高崎市の家庭教師、牛込伸幸です。
ぼくは日頃、中高生の家庭教師をしています。
そのなかで中学生と勉強するときに強く感じることがあります。それは小学校時代の基礎学力の大切さです。
基礎学力も欲をいえばキリがありません。でも、今回はこれがないとかなり苦しいという本当に大切なポイントにしぼってお話します。
それは、読解力・計算力・暗記力・思考力です。
ここが整えば、いい流れができてその後も勝手に伸びていくものです。
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この記事は小学生やそれより小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さんにぜひ知っていただきたい内容です。
ただ、もう中学生、高校生であっても遅くありません。身につけたそばから成長が始まります。
それでは始めます。まず最初は読解力です。
読解力の身につけ方
ぼくが日頃、家庭教師をしていて最も大切だと考える基礎学力が読解力です。不足している子が多いと感じる基礎学力でもあります。
読解力というと「国語でしょ?」と思いますよね。
でも、読解力は国語だけでなく、すべての科目で使います。
問題文を読み取るにも必要ですし、参考書や問題集の解説を読むにも読解力は必要です。
「日本語だから読めるでしょ?」
そう思いますよね。ぼくもそう思ってました。でも、そうでもないんです。
というより、自分自身も今思うと読めてませんでした。読めているつもりになってました。
いくつか事例をお話します。
数学の文章題
「問題文をさらっと読んでるなあ」
生徒さんが数学の文章題を解くのを見ていると、こう感じることが多いです。
ぼくがゆっくり、区切って意味を確認しながら読むと、
「そういうことか!」
となることが多いです。問題文から読み取った情報を箇条書きにすると解けることも。
これは数学の知識というよりは読解力の問題です。
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こんな状態の生徒さんには、問題文をゆっくり音読してみて!とお話します。
文章をさらっと読むクセがついてしまっているんですね。理解しながら読むという読み方になっていない。
問題文の長い問題
最近の入試問題は、問題文が長いものが多いです。
一問一答的なクイズみたいな問題は暗記教育と批判されているのですごく減っています。
例えば理科の場合。
実験の手順や過程がつらつらと書かれていて(B4の問題用紙の半分くらい)、その途中に「石灰水が白く濁り」みたいなヒントがあちこちに散りばめられています。
(二酸化炭素が発生したということですね)
その情報をきちんと拾っていないと答えが出せません。
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それ以前に長い問題文に圧倒されてしまって、あきらめてしまう子も多いです。
そういった長い問題でも、最初の(1)の問題はそこだけ読めばわかるクイズ的な問題であることが多いです。
でも、そこまでたどり着かないか、読んでもクイズ的な問題だと気付かないんです。
これも理科というより読解力の問題です。
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公立中学の平均点くらいの生徒さんはこんな状況かと思います。
決して少なくありません。半分くらいの生徒さんがこんな状況ですから。
これでは知識として知っていても、読解力がないと問題が解けません。もったいないです。
国語の現代文
国語の問題もやはりさらっと読んでいる人が多いです。
「もう解けたの?」という感じ。ぼくも一緒に解くと、ぼくより早い(笑)
本文をさらっと読むくらいなので、選択肢もさらっと読んでしまって、同じような言葉の入ったそれらしい選択肢や、一般的に正しい考えの入った選択肢に引っかかってしまいます。
現代文は本文に書かれていないことはバツですから。
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国語の問題に出る文章は日本語で書いてあるとはいえ内容はそうやさしくありません。
さらっと読んでわかるようなものではありません。
そんな文章を読むには、理解力だけでなく、じっくり読む持久力、忍耐力も必要です。これも読解力のうちです。
(もちろん、自分のレベルより難しい文章はじっくり読んでもわかりません)
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テストが終わったあとに「国語は時間が足りた?」と聞くとだいたい実力がわかります。
足りたと答えた子はよくできるか、できないかどっちかです。
がんばってやったけど時間が足りなかったという子はむしろいい兆候です。
最初は何が書いてあるかわからないから何度も本文を読んでしまった。似たような選択肢に迷って時間がかかってしまった。
こんな感じになると思います。ただ、ここが出発点です。ここから練習していくと少しずつよくなります。
解説が詳しいていねいな問題集
最近は解説が詳しい参考書や問題集が増えています。
でも、読解力がないとそれを理解したり、持久力がなくて読み切れません。
苦手科目を勉強しようと詳しい問題集を選んでもそれを読みこなせない。
悩ましいところです。やはり読解力、大事です。
読解力を身につける方法
このように読解力はすべての基本です。
日本語だから読めるはず、うちの子は大丈夫、自分は大丈夫と思わない方がいいです。ぼくも勘違いしてましたから(笑)
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読解力をつけるには読書が最適です。
国語の文章題を解くという方法もありますが、これだけでは量が読めません。
読書をすると圧倒的な量が読めます。活字に対する抵抗感がなくなります。
そして、何より読書は楽しいです。知識の幅、考え方の幅が広がります。
とはいえ、ぼくがこう思ったのは大学生になってからでした。
小学生の頃は外で遊ぶのが好きでした。家ではドラえもんなどのアニメやお笑い番組などテレビばかり見ていました。
中学生以降は本を読むくらいなら問題集を解いた方がマシみたいに考えていました。
そんな極端なことをしないで、月に1冊でもいいからちょっとしたスキマ時間や寝る前の5分でも本を読めばよかったなと思います(ぜひやってみてください)
多分、当時のぼくのなかに読書に対する固定観念がありました。
それは、ちゃんとした文学作品を読まないとダメみたいな。
夏休みの読書感想文で課題図書を読んだとき、苦痛でしかなかったんですね。
そういった本は読書の習慣のない子には難しく、興味も持てません。最後まで読み切れない。
もっと気軽に考えて、本屋さんへ行って自分の興味のあるものを読めばよかったのです。
ぼくは少年野球をやっていたのですが、「王・長嶋の野球教室」はよく読んでいました。そういうのでいいんだと思います。
読解力をつけるなんて考えずにおもしろそうだから読む、知りたいことがあるから読む。
こんなのでいいんだと思います。
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「どんな本を読んだらいいですか?」
こんな質問をよくお母さんからいただきます。ぼくとしては、マンガでなければ何でもいいと思っています。
とにかく活字に興味を持ってもらうことが大切です。
テレビの「名探偵コナン」が好きなら小学生向けの小説版もあります。
理科好きな子には小学生向けの科学シリーズ。小学生向けの恋愛やおしゃれを書いた本もあります。
逆に、無理に堅い文学作品を押し付けると、ますます読書嫌いになってしまいます。
※マンガは本に興味を持つ、1冊を読み切る持久力をつけるという意味ではいいと思います。
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先ほど、マンガでなければといってしまいましたが、もちろん、マンガもおもしろいです。ただ、読解力をつけることには向いていません。マンガはマンガで楽しんだらいいと思います。
文章を読んで、情景を思い浮かべる。これが読解力をつけます。脳の発達にすごくいいといわれます(もちろん、大人にも)
マンガやアニメ、ドラマでは思い浮かべることがありませんよね。全部、見えちゃってますから。
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本は学校や地域の図書館で借りるといいと思います。
でも、買った方がやる気が出る子もいます。そんな場合は、
マンガじゃなければ、月に1冊、好きな本を買ってあげるよ(マンガはおこづかいで買ってね)。こんな方法もおすすめです。
何冊でもいいよ!でもいいのですが、最初は1冊と区切った方が長続きしやすいようです。
とにかく本を買うキッカケをつくってあげてください(親が買ってきても読まないもの。自分で選ぶことが大事)
あとはやっぱり、親が本を読む習慣があると子どももそうなりやすいです。親はスマホやテレビばっかりなのに、子どもに読書を勧めても説得力がありません。
子どもが帰ってきたときに、さっと本を読んでいるふりをするというのもいいかも(笑)
でも、読み始めると、お父さん、お母さんも読書好きになると思いますよ^^
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こうして本を読む習慣ができて理解しながら読む感覚が身につくと、教科書や参考書、問題集の解説、テストの問題文を読むときも、理解しながら読むことができるようになります。
理解できないときはじっくり読むという当たり前の読み方ができるようになります。
また、読書で本を1冊読み切る持久力ができると、長い問題文にも対処できるようになります。
本を一冊読み切ったときって、達成感がありますよね。
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今回は読解力についてお話しました。
いちばん大切だと思っていることなので、長くなってしまいました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。長くなりましたので続きは次回以降にお伝えします。
次回は中学までに身につけたい基礎学力「計算力」についてお話します。
計算力にもいろいろありますが、どこが大切か具体的に、また対処法、問題集もご紹介します。
楽しみにしていてください。
応援しています^^ 牛込伸幸
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